2007年12月20日

『ドーナッツのリング』

川本真琴
★★★☆☆
■『桜』B面 
■ファン人気◆◆◇ ■ライブ頻度◇◇◇

星空への祈りというイメージは、『1』や『ピカピカ』でも歌われている。
それぞれテーマこそ違うが『ドーナッツのリング』をはさんでその祈りは深化していく。
従来のB面特有の不安定感は影をひそめ、落ち着いた肯定感に満ちている。

画面は「満点の星の夜」→「地球」→砂浜と静かにクローズアップする。
その終着点は「一瞬の打ち上げ花火」に照らされる「今ここ」である。
それはまた「名前のない季節」や「名前のない気持ち」の終着点でもある。

結晶化された「今ここ」からは、過去(のみならず未来)への肯定感が流れ出る。
その肯定感も
「そっか こんなふうに 泣けばよかったんだ」といえるだけの
「そのままを見る瞳」
「風を聴き分けられる耳」
そして
「決心を信じたまま まっすぐ歩いていく足」
があってこそである。

「ドーナッツのリング」という叫びは
そんな肯定感に満ちた祝福の叫びであり
眩しい調和の像として立ち現れる。
彼女の歌のなかでもひときわ美しい瞬間である。


一応「ふたり」について歌うというスタンスをとってはいる。
しかし、もはや恋愛ソングという枠組みが、彼女にとってナンセンスになってきていることを皮肉にも感じさせる曲である。
posted by 鹿鱈 睦馬 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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