2007年10月25日

『タイムマシーン』

川本真琴
★★☆☆☆
■『川本真琴』6曲目
■ファン人気◆◆◆ ■ライブ頻度◆◇◇

『川本真琴』唯一のバラード。
同時に彼女の曲のなかで一番素直なラブソング。

本作のようなしっとりとした曲は、他にも『1』や『ドーナッツのリング』などがある。
それぞれ、『1/2』や『桜』のB面であり、また本作が『川本真琴』の真ん中に置かれていることからわかるように、こうした淋しさのある曲は、前期川本真琴のもう一つの顔である。

淋しさといってもまったく沈んでしまうわけではない。
『タイムマシーン』の場合も、Aメロでのリズミカルな早口がほんのりと明るさを感じさせる。
もっともこの明るさが、Bメロそしてサビへと高まる、胸が締め付けられるような切なさを一層響かせる布石となるのだが。

歌詞に関しては、「渋滞」「十代」や「明日」「あたし」というように遊びつつも、
「いつまでも終わらないような 夏休みみたいな夕立だね」
「窓をつたう雨の粒みたいに 線香花火の雫みたいに」
というような、夏の雨に前にした澄んだ比喩が美しい。

舞台はガールフレンドが待っている男とのドライブの帰り道。
主人公は「上手に帰って友達になれる努力」をしようとしているいじらしい女の子。(『愛の才能』とは正反対。。)
このあたりが広く共感を呼んだのか。
このいじらしさと、ビブラートのかからない彼女の歌声との抜群の相性を聴かせてくれるのも、この歌の醍醐味である。

“あたしたち”にさえなりきれなかったそんな「二人」の「もう1ッコ」の可能性が『タイムマシーン』に託されている。

このようにいつもの歌と違った趣をもちながらも、後半でいつもの本音がつい漏れるのだった。
「ひとつになったらおっこちちゃうの?」
「ひとりぼっちでいなくちゃだめなの?」
posted by 鹿鱈 睦馬 at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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