2007年11月22日

『ひまわり』

川本真琴
★★★☆☆
■『川本真琴』9曲目
■ファン人気◆◇◇ ■ライブ頻度◆◇◇

アルバム『川本真琴』のオリジナル曲のなかでは、もっともストレートでポップな曲。メロディ、歌詞、歌い方すべてにおいて。
シングル曲のような印象を受け、一部のファンに人気があるようだ。

ハープを効果的に響かせることで、柔らかく優しい印象を与えつつ、歌全体はメリハリがあってしなやかな強さを感じさせる。
メリハリを支えているのが、弾むようなリズム感であり、さらにそれは節の最初が極端なまでに強く歌われることよって支えられている。このメリハリが楽しい気分にさせる。

こうした仕組みは、同じく花の名をタイトルに掲げる『桜』でもみられ興味深い。そういえば『ひまわり』の間奏でもピアノが力強く響いている。

ひまわりを成長する自分たちに重ねつつ、成長の眩しさと寂しさを「あの夏」へのノスタルジーとして歌う。

例によって「自動改札」、「最終のバス」、「半分こにした宿題」など意味深な暗喩が歌詞に奥行きを与えている。

登場人物として「君」が出てくるため、一応恋愛ソングとして聴くことができるだろうが、「君」を親友として聴くこともできる。

なお歌詞においても、青春ノスタルジーが主題という点で『桜』に近い。また、登場するいくつかの事物に共通のニュアンスがみられる。

後期に至って歌詞が高度に抽象化していく彼女だが、そうした表現も
「まつげの先に夕焼け小焼け 首をかしげて真似してた 君が揺れていた」
のように、一瞬の美しさを独特の角度から切り取る描写力があってこそであろう。

posted by 鹿鱈 睦馬 at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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