2007年09月27日

『STONE』

川本真琴
★★★☆☆
■『川本真琴』3曲目
■ファン人気◇◇◇ ■ライブ頻度◆◆◇

難解である。いつもより丁寧に整理してみよう。

まずはキーワード。
@閉塞感に満ちた「街」のイメージ=「しわくちゃになったNEWSPAPER〜」「POODLEMADAMは今夜もご機嫌〜」「みんなの店にはPINCHな仲間が〜」「SHOTで一杯やってる牧師が〜」
A脱出願望のイメージ=「BISCUITの屑みたいなCHANCEを〜」「新しい聖書〜」
Bその挫折のイメージ=「SCRAPになった車のKEYを〜」「ささくれが出来た親指を噛む癖が〜」「何度もCOINを数えてみてもTICKET一枚分」
そんな街の「呪い」で「君」は「仙人掌」(花言葉:内向きの心)になってしまう。

次に主題。
「見たこともない世界」。そのイメージは「子供達」「見上げてる」「SCREEN」。

その世界へのカギ「STRANGE STONE」。あるいは「僕らに埋められてる黒と白の2つの石」。
黒の石の妖精(?)は「眠れぬ憂鬱な黒いシッポの男の子」。
彼は「『何処にも行けないね・・・行けるよね』」と尋ねる。
白の石の妖精(?)はイタズラ好きそうな「白い羽つけた女の子」。
彼女は「『今夜で終わりなら何食べる?』」と尋ね「SCREENから舞い降りた」。
男の子のセリフも女の子のセリフも「街」から「見たこともない世界」への脱出を連想させる。実際「COUNT DOWN」「予言してる」とあり、その兆しが表れてる。

では「見たこともない世界」はどこにあるのか?
それは、この「街」の外ではなく、中にあるようである。そのことは「この街を2つに分ける大きな穴」や「鏡から」というイメージからうかがえる。

「一晩中考え」たあとの「朝」は、同じ「SCRAPになった5番街」の「朝」なのだが、どこか希望が差し始めている。
閉塞感の原因は「誰か」が「ぼくの記憶」をかじったためであり、その「誰かの右手と左手がいつもFAKE(=見せかける)してCLASH(=不一致)」「矛盾」させていたことに「僕たち」は否応なしに気づき始める。
「僕」の方は「黒いシッポ」が「育ってく」し、「見たこともない僕」が「僕を見ている」。
一方「君」が呟いたセリフの意味はお手上げ。。(『Do You〜』はCultureClubの代表曲だが、MAMAが出てくる意味が不明。アルバム曲の“ループ”による連想で『愛の才能』の主人公とも考えたが、全くテーマが異なるし、そもそも『愛の才能』で彼女は「一限」をサボらない。)


posted by 鹿鱈 睦馬 at 00:10| Comment(1) | TrackBack(0) | 評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 はじめまして。 鹿鱈さんの批評を拝見させていただいております。
 私も川本真琴に魅せられている者です。特に詩の深さには驚き、気がつくと夢中になっています。
 「stone」はひときわ難解ですよね。以下に私なりの意見を書かせてください。
 「ささくれ」→「ささくれる」の意味は、他の曲にも通じる「一体化できないもどかしさ」を表すと同時に、「血」の存在を表しているようで、私はそれが「MAMA」につながるのだと勝手に推察しています。(「hurt」が出てきますよね。)
やきそばパンで父と母は他人同士だったと川本さんは言っていますが、逆に唯一つながりがあるといえば(完全ではないにしても)せいぜい「母と子」ぐらいですからね。
  
 それから「何度もCOINを〜」は、ずばり具体的なあの場所「も」表しているように思えます。確かに一度そこへいったら二度と帰ってこれない「見たことのない世界」。でも「そこ」では人は外側の殻から解放されているのではないかという、確認できないけれどほぼ確信に近い推測があり、さらに「その世界」は同時に「僕ら」の中にあるものなんだと思うから、「僕」はなんとかその呪いを「ここで」解こうとするけれど・・・。
 
 いまひとつ整理できていませんが、私はこれが「stone」の世界の核心ではないかと思っています。もっとも、まだ分からないことはいっぱいありますし、どんなに分かったところで詩そのものには勝てないんですが。川本真琴、恐るべしです。
 
 ひとついえる事は、「stone」もちゃんとアルバム「川本真琴」の枠に収まっている(側面がある)ということでしょうか。「一体化願望」はここにもしっかりと根付いていると思います。
 以上、長々と失礼しました。
Posted by ココーン at 2009年06月23日 14:53
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