2007年06月07日

『愛の才能』

川本真琴
★★★☆☆(※鹿鱈睦馬の評価)
■96年5月(22歳)■デビューシングル/『川本真琴』2曲目
■最高位16位(シングル9枚中6番目)
■ファン人気◆◆◇ ■ライブ頻度◆◆◇

岡村靖幸がプロデュース・作曲・編曲・コーラス。
川本真琴が作詞・歌。
今みればとんでもない布陣である。天才と天才のコラボレーション。
そして、強烈なイントロは彼女の鮮烈なデビューを告げるファンファーレとしてふさわしい。(もちろんアルバムVer.の方)

歌声は、ハスキーな面がアダルトな印象をより強くしている一方で、舌足らずな面がかわいらしい印象も残している。
歌詞は、岡村が作ったメロディ・リズムにのせることに相当の意識をおいており、実際成功している。
また「あの娘・・・」「イケナイ・・・」「どぉ・・・」など、岡村の代表曲を連想させる部分も見受けられるが、たぶん偶然。

テーマは「あの娘にばれずに彼にもばれずにkissしよう」とする「イケナイ」二人。
欠けた「愛の才能」とは倫理的恋愛の才能ということか。

だが、ひとつ問題が残る。「友達じゃなくて恋人じゃなくて抱きしめたい」という不可解な願望の正体である。これは何か?
「忘らんない感触を欲しいの」「実感させて」「体で悟りたい」といったあからさまな身体の欲望とともに、「冷たい耳たぶそっと触れたいよ」「届かない」といったもどかしい心の渇望が漏れる。
こうした葛藤のなかには“一体化願望”の兆しがすでに表れているように思える。
そのことは「二人ぼっち」という響きからもうかがえる。
この不全感もまた「愛の才能ないの」という思いを強めているのかもしれない。

ところで、「『成長しない』」「約束」や「いつか遠くで知らない大人になる そんなアリガチ嫌だよ」においては“成熟への戸惑い”以前の“成熟への反感”が歌われていて、ここでも後のテーマが垣間見えて興味深い。
posted by 鹿鱈 睦馬 at 20:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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