2009年07月27日

『gobbledygook』

川本真琴
■01年3月(27歳)■2ndアルバム全15曲
■最高位13位(アルバム2枚中2番目)


 今こうして,このアルバムのジャケットやブックレットの写真を眺めていると,それらがこのアルバムの世界観を見事なまでに表現していると感じる。

 ジャケット表の色とりどりにむしられた花びらが曲目の華やかさと荒々しさを想起させる反面,ジャケット裏のどこかいたずらっぽい表情で振り返るようにそんな花びらを眺める彼女は,冷めた余裕を感じさせつつ,そのまま立ち去ってしまいそうだ。

 ブックレットでは,モジャモジャの金髪頭にメルヘンチックな衣装と仕草が,アルバムのエキセントリックな世界観とともに,やはりどこかアイロニックな雰囲気も漂わせる。


 繚乱する曲目は,石川鉄男の曲と安原兵衛の曲,それ以外の曲に大別される。

 石川鉄男の曲は,『桜』『ピカピカ』『微熱』のシングル曲3曲で,アルバムを通して聴く中で正直ほっとさせるポジションにある。
(少なくとも当時は)我々がよく知っている「川本真琴」だからだ。

 安原兵衛の曲は,インスト曲とヴォーカル曲に区別される。4つのインストは,考えれば考えるほどわからなくなる不可思議なものだが,例えば『ハーツソーバ』は,『ピカピカ』への鮮やかな導入役になっている(気がする)など,その意味を語ろうとすれば語れなくもない存在感があり,アルバム全体の雰囲気をスモークのように醸し作っていることは疑いない。
残る5つのヴォーカル曲については,それぞれの項目に譲るが,総じて感じるのは,このアルバムの功罪が彼女自身よりも安原兵衛の手によるところが大きいのではないかという点である。


 ブックレットの最後にある“愛してます かずりんより”という自筆を,「川本真琴からの解放」とみるのは易いし,このアルバム自体を彼女の本領発揮とみるのもおそらく正しい。

 しかし,そうであるからこそ,着地点としての,そして真に川本オリジナルな,「3枚目」が必要だったのではないか。
posted by 鹿鱈 睦馬 at 00:06| Comment(1) | TrackBack(0) | 評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ほんとですね。
3rdアルバムが欲しかった。
Posted by まこファン at 2009年12月08日 22:03
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