2009年05月17日

『ギミーシェルター』

川本真琴
★★★★☆
■01年3月(27歳)■8thシングル/『gobbledygook』2曲目
■最高位58位(シングル9枚中9番目)
■ファン人気◇◇◇ ■ライブ頻度◆◆◇

 なめたジャケットといい,ギターベイダーといい,川本真琴が何らかのブレイクスルーを図ったことは明らかである。
 金髪にエレキギターを抱えて,いつになくぶっきらぼうに歌う姿は,ファンの度肝を抜き,そのうち少なくないファンが姿を消したことは間違いないだろう。

 もっとも,本作のような路線は,すでに『微熱』や『FRAGILE』のB面あたりから始まっており,いずれ前面に出てくることは,十分に予測できたことだった。

 本作が成功しているのは,従前のB面のような暗喩が極力排されているため,聴き手もその勢いに心地よくのっていけるという点であろう。
 一方で,その一見単純なメッセージにも,「うたかたはじけ飛ぶ どんな約束でもかまんない」に象徴されているように,彼女の永遠のテーマである“関係性の不安”が背後に潜んでいるため,陽気さと勢いに満たされた「NO SECURITY!」「ギミーシェルター!」の叫びにもどこか深みが漂う。

 また,主体を「乙女」と明確に設定している点も,『トラブルバス』で「子宮」がクローズアップされている点に連なり,特異である。
 川本真琴が歌ってきたのは,“恋愛”というよりも“関係”であったため,女性特有の湿度を感じることは稀であった。
 それゆえ,“女であること”をサラリと,押しつけがましくなく歌うこのスタンスは新鮮であり興味深いのだが,その後の楽曲ではあまり展開されていないようだ。
 

 問題作『gobbledygook』を通してみても,異彩を放っており,事実上先頭に置かざるを得ない代物である。
「あなた&あたし『生存者』」
 果たしてどれだけのファンが生き残ったのだろうか。(※けっこう生き残ってます。)
posted by 鹿鱈 睦馬 at 16:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。