2015年03月25日

「卒業ソング」 & 「桜ソング」 2冠の曲といえば・・・

この季節,
音楽番組,バラエティ番組などのテレビ番組や,
ウェブサイトなどで,

「卒業ソング」
「桜ソング」

がランキング形式で紹介されます。


例えば,
Uta-Net」というサイトでは,
卒業ソングといえば
1位 3月9日(レミオロメン)
2位 YELL(いきものがかり)
3位 旅立ちの日に(合唱曲)
だそうです。


また,
オリコン(2014年)では,
桜ソングといえば,
1位 さくら(独唱)(森山直太朗)
2位 サクラ咲け(嵐)
3位 さくら(ケツメイシ)
だそうです。

ちなみに,
4位 桜(コブクロ)
5位 SAKURA(いきものがかり)
だそうです。

それから,
最近ランキングばかりのミュージックステーション(昨年3月21日放送分)では,
春ソングといえば
1位 さくら(独唱)(森山直太朗)
2位 春よ,来い(松任谷由実)
3位 桜坂(福山雅治)
だそうです。


ふうん・・・。

こういうランキングを観るたび,

「かわいそう。」

という想いにかられ,言葉が詰まります。
だって,あの曲を忘れているのですから。

いや,
特に今の10代とか20代とかは,そもそも知らないのかもしれません。
あの曲を。

かつて,
ミュージックステーションで,
いきなり歌詞を忘れて,それでも笑って突っ走ったあの曲を。


そう。
20091011001727d50.jpg

桜(川本真琴)
です。


詳しくは,評釈を参照していただきたいのですが,
改めて,この曲を振り返ると,やはり,うならせるものがあります。


「桜になりたい」⇒「風の中で」「ひとりぼっちになる練習してるの」
と,別れと旅立ちの季節の中の自分を桜にたとえ,美しく自立しようとする強い意志を示す一方,
「できない できない できない」
と,戸惑う気持ちを叫んでもいます。

この戸惑いの気持ちは,最後までサビの一部として紡がれますが,
後半の金言フレーズ

「今年で一番やさしい風が 
 あたしの迷ってる一秒前 通りすぎる」

「あたしたち 新しくなれるの」

において,明らかに一歩前進した主人公が立ち現れています。


また,
「できない できない できない」
の歌声は,それこそ,散る桜花の如く,輝きの中の儚さに包まれています。


・・・・と,語り出したらきりがないこの曲。

私にとっては,
卒業ソング & 桜ソングの不動の2冠です。


思うに,上記ランキングなどで,この曲がランクインしていない理由は,

この曲が殿堂入りしているから

というのが私の推測です。









posted by 鹿鱈 睦馬 at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月25日

『ALPHABET WEEKS』

川本真琴
★★☆☆☆
■『ブロッサム』B面
■ファン人気◇◇◇ ■ライブ頻度◆◇◇


ゆるんだ,ひずんだムードで始まる時間。

主人公が,大きく手足を伸ばして,街の中をリズミカルに行進していくようなイメージ。
「街中のパレード」は,まさにこの歌の象徴だ。


当然,歌全体が前向きな気分で満ちている。
「虹色の煙」
「宙に浮かぶラズベリー色のFUDGE」
「糸が切れて羽が生えたバルーン」
高く広がる空へ伸びる視線が,そのアップテンポな気分を裏付ける。

その視線の先にある空に向かって,「消えるでたらめ」を描くことは,
「まわるメロディに舞うもの」を謳うことだという。

「まわるメロディに舞うもの」とは何だろう。

それは,
胡蝶の夢の如く, “今” と「いつか夢見たもの」との境界をクルクルとたゆたわせ,無意味化していくような,
そんな “オマジナイ” なのではないか。


「新しいステップ」
「いつか夢見たもの」
「ぜんぶやりなおせそうな」
「今はひとつ欲しいものをもってる」
主人公の眼差しには確信の煌めきがある。
それは,地上と空,現実とあこがれの隔たりを,悠々と越えていくパワーだ。


(おまけ)
個人的には,この曲こそ,メジャー最後のシングルのA面としてふさわしいと思うのだが,
もう14年前の話だ・・・。

posted by 鹿鱈 睦馬 at 22:46| Comment(1) | TrackBack(0) | 評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月12日

『ブロッサム』

川本真琴
☆☆☆☆☆
■01年10月(27歳)■9thシングル
■最高位33位(シングル9枚中8番目)
■ファン人気◆◇◇ ■ライブ頻度◆◆◇


『gobbledygook』から約半年後に発表され,
メジャーレーベルから最後に発表されたシングルのA面曲。

川本真琴は作曲のみを担当し,作詞は七尾旅人が担当している。


メジャーレーベルのシングルA面とは思えない低いテンションや,
彼女の姿がないジャケットに,
当時のファンは,『ギミーシェルター』以上に戸惑ったのではないだろうか。

今でこそ,この曲は,
彼女が自らに由って立っていく岐路にあったことを鮮烈に印象づけるが,
また,彼女の弾(はじ)き出すピアノの響きが,のちの『クローゼット』などへの飛翔を感じさせるが,
あくまで今でこそだ。


七尾旅人の削ぎ落とされた詞は,川本真琴の声を生々しく浮き彫りにする。

「正しすぎ」る歌を「聴かせないでください。」
「ふしだらだよ。僕に聴かせないでください。」
正しすぎて,そして,ふしだらな歌。
正しいことが,不誠実なことになる,つまり,うわっつらだけの歌。
そんな歌への拒絶感。

「ねえ どうしたいの?」
という問いかけは,メジャーレーベルを去ろうとする自身への問いかけとも重なるように聞こえる。

「神様がいたころ,すごい昔。」
「君の胸に,頬に,花が咲いた。」

七尾の紡ぐ言葉をなぞることが,あたかも三面鏡の中の自分に向かって呟いているようで,
それが,自己完結した,しかし閉塞した,妙に切なく,寂しい余韻を残す。

果たして花は再び咲くのか。

posted by 鹿鱈 睦馬 at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 評論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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